公共料金削減
設備投資の前に、契約の仕組みを知る
各種の制度改革や規制緩和によって、光熱費・通信費・荷造運賃費などの「基礎インフラ」にも無駄な出費が残されている可能性があります。
例えば、こちら(北陸電力WEBサイト)を見てみると、一言で電気料金といえど、利用形態や利用量に応じて、多数の契約形態が用意されていることがわかります。
本来この各種のプランは、利用者の利用量や利用時間に応じて、最適なプランを選択することが出来る様にするために組まれているものなのですが、新築時・事業開始時においては「何を、いつ、どの程度使うのか」が分からないため、合理的な最適化ができません。
この為、工事業者と公共事業者の間で平均的なプランを選択するのが通例で、つまり、「多分、こんなものだろう」という見なしだけで契約内容が決まっています。
恐らく、あなた自身、自分の事業所や家庭の契約形態がどのように、そして何故こうなっているのか、詳しく説明を受けたことはないはずです。
つまり、貴方にとっても、合理的な最適化など考えてみたこともない場合が多いのです。
お気づきの通り、実際に使い始めた後、利用状況を調査し、最適化を提案してくれる親切な公共事業者はいません。なので、契約を変えるだけで公共料金が下がるという事が、実際に起こります。 |
契約を変えるだけであって、他には何も買わず、何も変えず、何も取り付けない事に注意してください。 今ある設備全ての省エネ化を自称する”節電器”の様な物は、絶対に取り付けてはいけません。
「節電器って何だろう?」と思われた方は、被害にあってしまうかもしれませんね。
電気料金はご存知の通り、使った量×単価で決まっています。使う量を減らす為には、使っている時間を減らすか、使う機器の数を減らすか、使う機器を省エネ設備に買いかえるしかありません。 |
今私が、まず初めにすべきだと述べているのは、
量を減らすのではなく、「単価」を下げる事が出来ないかを一番最初に検討する、という事です。
仕入れするのに見積を取るのと同じことを、電気料金や水道料金にもするだけの事です。 これを調達コスト改善といいます。
まず最初に、必ずやってください。(理由は後述します)
社員と苦労を分かち合う「節電・節水」は、この次の段階で行います。運用改善といいます。
それでも駄目なら、設備改善を行います。(キャッシュフローが無いと出来ません。ですから一番最後に検討します) 公共料金の節減については、どれもコンセプトは同じですので、ここでは例に挙げた電気料金を、主に考えてみることにします。
公共料金の削減プロセス
1.調達コストの改善
電気料金プラン変更によって、5~30%もの電気料金が節約できる可能性があります。
考えてみたことがない場合は必ず一度は検討すべき項目です。
私たち株式会社トラストホールディングスでは、このプラン変更による経費削減・経費節減のシミュレーションは、無償で行っています。
貴方の社内のみで行うことも一応可能ですが、各種契約プランの組み合わせによる料金変動のシミュレーション計算を綿密に行う必要があります。 この計算が間違っていると、間違った契約プラン変更につながり、一度プラン変更を行うと最低利用年数が決まっている為、1年の間契約変更が不可能になります。
調達コストの改善は、絶対に運用の改善よりも先に行ってください。
理由は単純です。
何もしなくても下がる経費を下げることで、次節の「運用の改善」で達成しなければならないボリュームが下がり、つまり、社員に工夫を要求しなければならない目標数値が下がるからです。
公共料金の削減は仕入れに競争原理が働かない局面が多いため、支払いを減らす為に社員に習慣の改変を要求しなければならない場合が多く、失敗すると人材を無くします。
この見えないリスクを出来るだけ小さくする為に、最初に調達の改善を行ってください。
2:運用の改善
いわゆる節約キャンペーンを含む、イメージ通りの経費削減・経費節減の段階です。考え方にはやはりコンセプトがあります。
貴方が経営者であれば、こうです。
「基本コンセプト:無理は長続きしない」
貴方が社員であれば、こうです。
「基本コンセプト:皆に徹底させるのは非常に難しいものである」
これが逆転すると、経営者対社員の不毛ないがみ合いになります。
公共料金の運用改善は、習慣の変更を伴い、また、効果検証が社員にとって難しい領域である為、注意深く進める必要があります。
言わなくても(苦労しなくても)自動的に守れるような方法を、まず最初に探してください。 いろいろな工夫が考えられますし、貴方のアイディアの見せ所です。アイディアを考える際、家にいて机の前で考えていてはいけません。家電量販店やホームセンターに行き、商品を見ながら考えましょう。
電気は、スイッチが切れていれば絶対消費されないコストであるため、タイマー電源や集中コンセントをうまく活用するだけで効果が上がります。
一日分のコーヒーを朝一番に入れ、すぐに魔法瓶に移しておけば、味も変わらない上に保温や都度抽出の電気代が下がります。(やりかたを少し工夫すると、実は味も上がります。頻度を減らして節約し、工夫して品質を上げる例です。)
毎年末に必ずやる大掃除を、今年からはもう少し徹底的にやりましょう。
暑い真夏が来る前に、毎年必ず空調機器の内部を清掃しましょう。
故障や事故が減り、運用効率(燃費)がはるかに上がり、見た目も今よりずっと快適なオフィスになります。
これらの例の様な方法を思いつくコツは、意識しなくても守れることにあります。
貴方や貴方の同僚が節約に気をつけているという状態は、お客様の事(本来の任務)を考えている思考が、頻繁に中断されている状態です。
人件費削減の項目でも述べますが、社員の思考は常に任務に向いているべきです。
また、やってはいけない”運用の改悪”があります。水道やガスなどでも同じですので、まとめて例を挙げてみましょう。
・ お客様にお茶を出さない・冷めたお茶を出す・コーヒーに砂糖とミルクをつけない
(お客様に失礼)
・すべてのトイレに「節電・節水」という張り紙を貼る
(お客様からみて非常に見苦しい)
・蛍光灯を取り外して稼動本数を減らす
(目が悪くなる&モラルが下がる&お客様の印象が悪い)
・営業中なのに街灯を消しておく・数を減らす
(防犯上のリスクが増えます)
・ 標語を作らせる
(時間の無駄)
・ トイレのタンクに手を加え、排水量を減らす
(下水管が次第に詰まり、いずれ”大変なこと”になります)
傾向がお分かりでしょうか。
つまり、お客様に見えるような部分で節約をしすぎると売り上げに響く、という事であり、社員に行き過ぎた陰気が伝染すると売り上げに響く、という事です。目先の小銭にこだわって売上を下げてしまうのでは、何のために経費削減・経費節減をするのか、その意味が無くなってしまいます。
監視させたり、標語を作らせたりするのも、(やりたがる人が多いのも現実ですが)実はあまり意味がありません。(本来の任務と全く関係ない)明らかに余計な作業を増やすとモラル(忠誠心とやる気)が下がりかねず、また、単純に時間の無駄とは人件費の無駄遣いです。
目標数値を出させ、達成を評価するのは、やり方次第では大きな意味がありますが、やりすぎは禁物ですやるのであれば、男女を同じサークルに参加させ、上役は聞き役に徹しつつ、ただし必ず参加しましょう。
異性がいると不毛な喧嘩が起き難くなり、”重し”がいると議論が不毛になることを防げます。人件費削減の問題ともかかわりますが、パート従業員や派遣労働者に節約サークルを行わせ、教育の一環に組み込むと効果が上がりやすく、隠れた人材を発見できるかもしれません。
3:設備の改善
運用の改善を推進しても目標に到達しないなら、設備を改善するしかありません。タイマー電源や省エネ蛍光灯を活用する様な発想や、清掃を徹底して効率を上げる様な手段を、もっと大掛かりに行う事を意味します。通常大きな設備投資が必要である為、専門家に相談し、しっかりとしたシミュレーションに基づいて計画を立ててください。
私たちの様な専門家(コンサルタント)は、通常、報酬は成果報酬ですので、身構えずに積極的に相談し、その知識をうまく活用しましょう。銀行家や会計士など、すでに付き合いがあり、リスクに敏感な専門家に話題を出してみるのも良いでしょう。
例えば、この段階においては、消費電力量を自動管理する装置(デマンドコントローラー)や、水道使用量と排水量を計測・管理する節水システムなどを導入して、通年で経費の節減を図ります。
中規模以上の建築物における電力会社との契約は「デマンド契約」と呼ばれ、1年において電力使用量が最大であった月の使用量を元に、翌年の基本料が決定されています。従って、年間を通じて電気使用量を自動監視し、設定ラインを必ず下回るように、各種機器を自動制御(不要な場所の電力消費を自動で切ったり、空調などでは設定温度を上げ下げする)する装置を用いれば、確実に経費が下がります。
同時に、設備を思い切って最新の物に切り替えてしまうと、驚くほど効果が上がる場合があります。投資の回収にかかる時間は当然増えますが、近年の環境ビジネスの発達により、設備のエネルギー効率は驚くほど進化しています。
水道料金であれば、上水の使用量と下水への排出量を計測し、下水使用料を切り下げます。これは通常の下水使用料が「出た水と同じ量の排水がある」事を前提に決められている為で、飲食店などの「損失水(下水に捨てられずに消える水)」が多い事業所では、高い効果を発揮します。計測装置と常時稼動するサーバーシステムを導入し、料金体系を「みなし課金」から「従量制」に切り替えます。
また、蒸気を使用している中規模以上の工場であれば、単に使用済みの蒸気を排出するのではなく、タービン発電機を取り付けて発電の形で熱を回収する方法も考えられます。この種の一度消費したエネルギーを再利用する機器も、近年の環境ビジネスの発達によって、年々高効率の機器が開発されてきています。
発電した電力で余剰があれば、売ることも出来ます。 設備改善による経費削減・経費節減は、調達改善と同じく、事前に数値予測が立てられます。 ですが、社員には絶対に不可能な意思決定を伴いますので、経営者の責任において、確実な計画と実行を行わねばなりません。
4:まとめ
公共料金の経費削減・経費節減は、他の手段と異なり契約関係に競争原理が働かない部分が多いことが特徴です。
要するに、公共事業者が”お大名商売”をしている分野であるため、あちらから営業マンがやってくることが無いのです。
これは逆に言うと、
経営者が常識を疑ってみるだけで、安くなることがありうる
という意味ですので、今日から早速、何でも疑ってみてください。 貴方が社員でも同じことです。家に帰って公共料金のプランを調べましょう。そして生活を今より少しだけ楽にしてください。
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売上増を目指すプランニングと異なり、支出節減のプランニングは、計算的に結果があらかじめはっきり分かります。また、通常(少なくとも弊社では)、プランニングの段階では費用は発生しません。
費用が発生するのは成功した後に、成功したコストの何割かです。今と変わらない場合は、費用は当然発生しません。(正確には、分析結果により、変えられない=今が最適である場合は、そのように申し上げ、契約を行いません。)
逆に、最初に予測計算を提示しない・出来ない様な商材のセールスには、耳を貸してはいけません。
貴方の会社の現状を聞きもせずに、何かを言ってくるプランナーは相手にしないほうがベターです。(断言します。騙されてはいけません)
引き続き、「競争原理が働く」分野であるオフィス・設備における経費削減・経費節減を検討しましょう。
不況をチャンスに変えましょう。何事も発想の転換です。



